自然ばなれ
この夏は3歳になった孫が何度か泊まりに来てくれた。楽しくもあり、疲れの夏でもあった。
家の周りに自然があるので自然の中での遊び中心だったが、家の中での遊びに飽きるとタブレットを自分で操作して動画サイトのyoutube動画を見ている。走り回る孫に少しの時間だけ静かにしていて欲しい時、youtubeというのは最強の子守りツールとなる。しかし子供は、くだらない動画が好きようで、汚い、怖い、暴力的な動画を何回も見ている。
昨今、子供たちの事件も多いが、判断力のない小さい時から遊んでいる残酷なゲームやネットの動画などもひとつの原因、そして自然の中での遊びがなくなったのもひとつの原因ではないだろうか。世界的に有名な昆虫写真家の栗林慧さんもインタビューで、「自然ばなれにも原因としてあるような気がします。」と、次のように話している。
「例えば昆虫が身近にあればそれを相手にします。中には残酷に虫を殺したりする子どももいるでしょう。でも、その時何かいやな思いをするんです。「悪い事したな」という感覚。あれが大事なんですよ。そこで“加減”っていうのがわかるんです。そういうことで「命」っていうものを知るんですよ。この事を昆虫によって覚えるんです。」
私が東京で仕事をしている頃、栗林慧さんにお会いしたことがある。私は29歳、栗林さんは38歳。穏やかで落着いた雰囲気で、その時はもっと年長の人だと思っていた。77年から郷里の長崎県田平町に居を構え、昆虫を追いかけていらっしゃる。「アリの目を持つ写真家」と言われ、クローズアップして撮った写真は、いままでの昆虫写真とは違い、写真の中の昆虫たちに話しかけることができるようか感じがする。すばらしい大好きな写真家である。
どんどん成長していく孫とのふれあい、これからも自然の中で思いっきり遊ばせてやろうと思っている。
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